自信・自分への信頼 [自信・自分への信頼]

「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」の作者、松本零士さんは、高校卒業後、少女漫画家として出発しました。ところが少女マンガに相応しくない内容が原因で、あっさりクビになってしまいました。

時代は1957年。男の子が読むマンガと女の子の読むマンガは、全く別物の時代です。その少女マンガに、最新鋭のロケットや、四次元空間を渡ってやってきた少女、異性から来たアンドロイド、歴史物語と称して100万年前の物語を描いたり、少女マンガにとんでもない物が登場してくるのです^^

当然、編集部はお怒り。雑誌でデビューしたての新人漫画家です。本来なら、「わかりました。ここを書き直します」で頭を下げたら、明日の飯は食いつなげられます。ところが松本零士さんは、「自分が描きたい物を描くんだ」「絶対に面白いものを描いているんだ」と、自分の作品に対する思いを貫いてクビになったそうです。

松本零士さんと言えばSF漫画のイメージが強いのですが、出世作となったのは1971年から「週刊少年マガジン」に連載した「男おいどん」です。主人公の大山昇太が、老朽下宿で四畳半の部屋を借りて送る極貧生活と、彼を取り巻く人々の生活を描いている大人気作品です。

主人公の大山昇太はインキンタムシ。当時の日本では、インキンタムシにかかっている若者が多かったそうです。当時は「インキンタムシ」は口に出来ない言葉。薬屋さんにも恥ずかしくて言えない。テレビCMで「インキンタムシにはこの薬」なんて情報もなかったので、「自分だけがこの奇病にかかっている」と思い込んで悩んでいた学生や若者も多かったそうです。

松本零士さん自身もインキンタムシで、ある日、解決方法が判ったそうです。薬局で「インキンタムシの薬を下さい」とは恥ずかしくて言えない。「白癬菌病の薬を下さい」となら言える。「こんな簡単なことで治るんだ」と。

「作品を何のために描くのか」という目的意識に初めて目覚めた。インキンタムシを公然と口にできる世の中にしてしまえ。そうしたら悩める同士若者諸君が救われる」

インキンタムシの話ですけど、「世の中を変えてしまおう」って、でかい夢です^^ 「男おいどん」を描き始めると、思わぬ反響に出会います。「オレだけじゃないんだ」「みんなそうなんだ」「これで治るんだ」とお礼のファンレターが沢山。「あなたのマンガのお陰で彼氏があかるくなった」と、作品を読んでいない女性からも手紙がきたそうです。

松本零士さんは「インキンタムシ物語を書いた作家は歴史上まだいない。これは世界最初のインキンタムシ物語だ」とインタビューで話していました^^

今やインキンタムシの薬には松本零士さんの絵が描かれているパッケージで発売されている物があります。本当に世の中を変えてしまったのです^^

偉大な発見者や発明者に限らず、「成功者」は、伝統を壊し、前例を無視することを恐れていませんでした。「無理だ」「出来るはずがない」「前例がない」と反対されても、これまでにないやり方をバカにされても、目標を達成するまで走り続けました。

ニチロ食品の若手営業マンは「そば飯を冷凍食品で」。という提案をして、社内で大反対にあいました。「売れるはずがない」「何を馬鹿なことを」と誰も取り合ってくれなかったのです。実際にそば飯が販売されると、製造が追いつかず、1か月間の販売を中止させていたほどの人気食品となりました(人生は楽しむ為に生まれてきた1 参照)

約30年前に発売された、ホンダの「シティ」という車は、企画段階で「こんなみっともない車は絶対に許さない」と酷評され、プロジェクトリーダーの渡辺洋男さん以外は、「売れるはずはない」と思っていたそうです。ところが、「低く、長く、幅広い車が格好良い」というこれまでの常識を壊した「シティは」大成功を納めたのです(信念・思い込み5 参照)。

大方の人が、周りの人と似たことを選んで、先人の意見を聞いて、前例を重視し、他の人と似た価値観で生きてしまいます。これは、一定の結果を得る為の近道ではあります。

自ら道を切り開いて行くよりも、大勢の似通った価値観の中に埋もれて生きる方が楽なのです。やり方が判っている、結果が見えている事は楽なのですね。

そして、その「楽」の中で、「苦労は買ってでもせよ」という言葉を使います。この言葉を使う人ほど、「苦労」が目的になってしまいがちです。「苦労すること」と「成功すること」は別のことなのに、苦労しなくては成功はない。と思っているのかも知れません。

成功に必要な物は苦労ではありません。では何が必要なのでしょう?

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コメント 2

夏炉冬扇

お早うございます。
タムシチンキ、学生寮と汗の匂いを思い出しましたよ。

by 夏炉冬扇 (2010-12-02 07:05) 

ラッキーストライク

★夏炉冬扇さん
私が松本零士先生の作品になじんだのが銀河鉄道999。
男おいどんに描かれた世界は、私の生まれる前の出来事ですが
松本零士先生のインタビューを聞いて、古き良き時代を楽しみました^^
by ラッキーストライク (2010-12-04 16:49) 

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