人生は遊び 3 [人生は遊び]

華やかに世間を賑わす人、華やかにテレビで活躍する人は、人生の遊び人です

タレントの田原俊彦さんは、1980年6月、たのきんトリオの先陣を切って『哀愁でいと』で歌手デビュー、1980年代のトップアイドルとして活躍。その後も『教師びんびん物語』など多くのドラマに主演するなど、俳優としても活躍しています。

70年代、80年代のテレビ特番といえば決まって「オールスター大運動会」や「オールスター水泳大会」が放映されていました。それまでのトップアイドルが期待されていたように、田原さんも番組制作者やファンから、何をやらせてもNo.1を期待されていました。この「オールスター水泳大会」について田原さんが「おれ、結構ムキになってましたよ」とインタビューに答えていました。

実は田原さんは、泳ぐことができないのです。息継ぎができないのです。

水泳大会は歌手の本業ではありません。田原さんぐらい売れると「俺はもう水泳大会に出る格じゃないよ」といって断ることもできますし、素直に「水泳は苦手だから」と言っても誰も責めたりしません。怪我をして出ないと言ってもいい。ジャニーズにはシブガキ隊や少年隊といった後輩がいますし、彼らに任せることもできたはずです。「俺は歌手だから泳ぎで一番になる必要はないんだ」と突っぱねても大丈夫でしょう。

ところが田原さんは、水泳大会でバリバリ泳いでいました。当時の気持ちを5年位前のインタビューで答えていたのですが、田原さんは

「水泳が苦手だったけど、出るからにはオレは勝つんだ」

と思って練習をしたそうです。もちろん殺人的なスケジュールの中で、コーチを付けて、一から習うなんて時間はありません。青山墓地の近くの坂道で走り込んだり、忙しいスケジュールの合間にプールに行って泳いだそうです。

「息継ぎができないんだから、息継ぎをしなければいい。25mぐらいだったら息継ぎなしで泳いで、オレが一番になってやるって思ってた。でも本番では何食わぬ顔をして、スタートしたら一生懸命でしたね」

「俺もヒーローになりたい。カメラマン、ディレクター、プロデューサー、番組を背負っている人たちも「トシ、来い!」とオレに期待している。期待通りに勝てば番組が成立する。そのためにオレのやらなくちゃいけないことは、マッチでも少年隊でもシブガキ隊でもなく、オレが一番上に立つ事なんだよ」

オレが一位になることが一番自分にとってもかっこいいし、みんなも見たいと思っているだろう。「泳げないから出ない」ではなく、「泳いで勝ってやる」。なんて面白いと思いませんか? 田原さんは、子供の頃の自分についても語っていました。

「勉強も負けるのがいやだった。町内の運動会でリレーをやる時は、オレは絶対にアンカーをやった。リレーが始まったら、「1位でバトンを渡されてもつまらないぞ。オレのところにバトンを渡すときは3着ぐらいで来い!」って思ってた」

田原さんは子供の頃から自分の役柄を、「オレがヒーローになるんだ、みんなもそうオレに期待しているんだ」と創造していたのだと思います。

忙しいスケジュールの合間を縫ってプールに通う。どこに行っていたのかと効かれると「ちょっとね」等と濁して、まるで遊びに行っていたかの様に答える。周りの人は「また遊びに行ってたのか」と思い、そんな噂が根も葉もない記事になる。

「プールに行って泳ぎのを練習していた」と言えばそれはそれで、華やかに報道をしてくれるでしょう。でも田原さんは

「努力してます、なんて苦労話はかっこう悪い。そういうところを見せないで、ハハハっていつも笑って平気な顔をしてるのがいいじゃない。事務所もそれを田原俊彦に求めていたし、80年代のテレビという娯楽がもてはやされた時代に、一番泳がされた、自分も一番泳げた(タレントとしての様々な才能を求められ、本人もそれに乗った。楽しんだ)。ぼくはそのポジションにいた」

水泳大会で泳いだのは、アイドルだから、芸能人という仕事だから、なんて気持ちはなかったんでしょう。彼は子供の時からずっと、自分がスターであるというポジションを創造し、自分の好きな役柄を楽しんでこなしていたんですね。

芸能事務所では、スターになる子を見分けるのに「いかに堂々と歌を歌えるか」を見たりするそうです。上手く歌おうとしたり、間違えずに歌おうとしたり、良く思われたいと思って歌う人より、下手でも間違えてもいいから、自信を持って堂々と歌う子が将来スターとして輝くものを持っていたりする。なんて話を聞きました。

自分を褒めて自分を信じて振舞わなければ、誰がその役柄を認めてくれるのでしょう。自分が創造した役柄を楽しんで演じれば、周りの人もそれを認めるようになるのです。「やらなくちゃ」「変えなくちゃ」なんて思うのではなく、そのように遊ぶのです。ごっこ遊びでいいんです。

人間は楽しんで物事に集中していると、「苦手だ」「難しい」といった、マイナス要素を無意識の中で切り離しています。好きなことを楽しんで夢中になっている間は、努力は苦しくありません。本人にとって喜びです。人生は遊びです。私たちは遊ぶために生まれてきたのです。自分の人生を自分の思い通りに生きるなら、「人生は遊びだ」ということを思い出すことです。

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瓶太郎

「オールスター水泳大会」・・・懐かしいですね
自分も常々そう思いたいと思っていますが・・・
by 瓶太郎 (2010-07-18 21:08) 

褒めごっこはじめました

何気なく思いついた事がなんだか深い!!とびっくりしています。

ラッキーストライクさんの素晴らしい着眼点や洞察力、感心します。
褒め返し、しちゃいますね。
毎日元気になる内容を届けて下さりありがとうございます、楽しくなります。

褒めごっこは彼氏や両親、友達と他人ばかりで自分を忘れてました。(笑)自分こそ褒めごっこしなきゃ!なんて、感じた今日のブログです。

by 褒めごっこはじめました (2010-07-19 12:18) 

ラッキーストライク

★瓶太郎 さん
「常々そう思いたいと思っていますが・・」
思いますが、何でしょう? この後が気になります^^
瓶太郎さんは「そう思いたいと思っている」ということが素晴らしいと思います。自分の中に何か願望があるということは良い事だと思います。「変わるわけがない」「できっこない」と何か自分が変わる事をやめてしまったり、願望を持たなかったり、願望に気付かない振りをしてやり過ごしてしまう人も多いのです。何か身近なことから焦点を当ててみてはどうでしょう?^^

★褒めごっこはじめました さん
彼氏だけじゃなくて、ご両親や友達とも褒めごっこをしているんですね!すごいです!
相手を自分の思い通りに動かそうとしたりするのが「愚痴」
相手の姿をありのままに見ることができるのが「褒める」
褒めることで更に自分がどんなことから自由になれるのかをブログに更新中です。自分こそ褒めてあげなくちゃ、と素直に思える人はなかなか居ません。
素晴らしいです!ぜひぜひ、自分自身も大いに褒めてあげてください^^
by ラッキーストライク (2010-07-20 02:00) 

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