自信・自分への信頼 7 [自信・自分への信頼]
あるパソコンソフトの会社に勤めている方からこんなお話を聞きました。
技術は常に進歩している。自分が専門学校で2年もかけて習ったことが、この数年の間にソフト上で簡単なステップを踏むだけで、一般の人にもごく普通に出来てしまうようになった。
彼の心の内側をよくよく聞いてみると、「お金と時間をかけて苦労して修得したことを、社内で若い世代の人間が簡単に出来てしまうことがやりきれない。」「オレの時はこんなに苦労したんだぞ。」と言いたくなるのだそうです。
彼は過去の自分を「不幸」に見てしまっているようでした。自分を不幸に置かないためには、苦労したことを美徳としているのでしょう。苦労が美徳になってしまったので、簡単に仕事をこなしてしまう若手を素直に褒めることが出来なくなっていました。
これが真実だ、正しい、と考えてきたことが、実は誤りだった。なんて事は、人間の歴史を見れば沢山有ります。それまでの道具は、より優れた道具ができると、あっという間に取って代わられてしまいます。世の中の物事は常に変化しているのに、自分の心だけが変わらず過去にいようとします。
電気の種類を大きく分ければ交流と直流の2種類になります。壁のコンセントは交流で、電池は直流です。テレビ、パソコン、電話等、多くの電気機器は交流のままでは使えず、交流を直流に変換して電圧も必要に応じて変換して利用します。
なぜ家庭用電気が交流なのか、わざわざ交流を直流に変換するのかは、交流が変圧器を何種類もの電圧を作ることができるからです。難しい話はここまで。要は、交流が効率良く都合がいいということです。
交流発電機と交流電動機(交流モーター)の発明は、かつてエジソンの会社・エジソン電灯に勤務していたニコラ・テスラによるものです。電力事業の最初の数年間は、エジソンの直流送電はアメリカ合衆国における標準方式でした。
当時、直流電流による電力事業を展開していた社内にあって、テスラは交流電流による電力事業を提案し、エジソンと対立することになります。一般には「エジソンはステラの交流方式が理解できなかったのではないか」と言われています。しかしステラは、システムの説明だけではなく、実際に直流で動いていた工場のシステムを交流で動か素実験を成功させるなど、交流の効率の良さを具体的に証明しました。
たとえ難しいことが判らなくても、経営者として、今後アメリカ全土へ送電範囲が拡大していく為に、効率の良い交流方式への切り替えは可能だったと思います。実際に、交流方式が主流になると、エジソンの会社は交流用機器の制作に転換しています。
エジソンは研究者としてはバカになれましたが、経営者としてはバカになりきれなかったのかもしれません。ステラの交流方式を、丸々会社の利益にするチャンスを逃してしまいました。エジソンは既に研究者・発明家として実績、名声があり、それを部下に取って代わられると思ったのでしょうか。「そうか、それならやってみよう。お前に任せる」と言えなかったのではないでしょうか。譲れなかったのではないでしょうか。
大方の人が過去に囚われずに生きる事が苦手です。過ぎたことにこだわります。例えばゴルフコンペのトロフィーが飾ってあります。よく見れば埃が被っています。「既に役に立っていないが、いつまでも取っておきたい」、そんな心の中が「過去にこだわる」なんて事ではないでしょうか。
前後裁断「今を生きる」事が重要です。ではどうやって過去を切り離し、今を生きるのでしょう?^^
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