何もしない [人生劇場]

私の友人にいつもイライラとしている人がいます。話せば普通なのですが、突然怒り出したりするのでなかなか付き合い方が難しいのです。彼の口癖は「忙しい」「時間が無い」。誰よりも遅くまで残って仕事をし、いつもより早く帰る日は、英会話や楽器の習い事。土日も習い事で予定を埋めてしまっています。

たまに私が帰り際に「まだ残ってるの?」と一言余計に声をかけると、嬉しそうに「今日中にやっておきたい事があってね」等と、自分がいかに忙しいかを嬉しそうに話し始めます。遊びや飲みに行く予定を聞くと、まず予定は埋まっていて、やはり自分がいかに予定を埋めているかを嬉しそうに話すのです。

彼が嬉しそうなのは、彼が自分の仕事か習い事の話しをしている時と、自分がいかに忙しいかを人に説明するときです。それ以外は、「忙しい、忙しい」とイライラしているのです。

彼の例は極端な話しですが、私たちは常に「何かをしている」という事に慣れてしまっているのかもしれません。大方の人は様々な情報等に無防備に思考を晒したままとなっています。彼は心を休める時間をあまり持っていないと言えるでしょう。

休日に身体を休める人は居ても、心を休める人は多くないでしょう。私たちの生活は一昔に比べたら格段に楽になっています。高速で移動ができる乗り物や、電話やFAXやインターネットの普及で格段に時間を節約できています。炊事・洗濯も格段に楽になりました。一人暮らしの人は、コンビニの普及で料理を作る時間もあえて必要がありません。

時間は沢山出来ているはずなのに、忙しいのです。

現代は忙しい事が「美徳」とされる社会です。何もしていない事を「怠慢」とされてきた社会です。「何もしない」という事は、贅沢とされてきました。今までの社会は贅沢を敵視してきたように思います。

常に何かをしようとしている事は、自分の思考を様々な情報に無防備に晒している状態です。常に予定があるという事は、自分の心は予定に対して準備を続けているという事です。人に会う予定があれば、会ってる間も何かしら気を使う事になります。常に心が構えている事になり、心を休めることが余りありません。

多くの人は「ながらテレビ」をしているそうです。アイロンをかけながら、本を読みながら、時には仕事をしながら、等々、見てもいないテレビをつけっぱなしにしているのです。こうした人達は、テレビがついていないと寂しいのかもしれません。常に自分の心は何かの刺激を待ち続けている状態です。常に思考に刺激を受けてきた為に、新しい思考への刺激を期待しているのでしょう

電話は小さな暴力です。食事を取っていようが、お風呂に入っていようが、何をしていてもその手を止めて、電話に出させられてしまう人がほとんどです。常に「させられている」という行動を多くの人が選択しています。

現在は、携帯電話の普及で、一人一台電話を持つ時代。「友達から電話がかかってくるかもしれないから・・・」「何か重要な用事で電話がかかってくるかもしれない・・・」「メールが着たら急いで返信をしないと・・・」等と、常に心は電話を待ち続けてしまいます

知らず知らずのうちに、絶えず心が何かに対して準備をしていたり、刺激を受け続けているとどうなってしまうのでしょう。

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